2008-01-01から1年間の記事一覧

15.「あさかやま」の歌(2)

安積香(あさか)山、影さへ見ゆる、山の井の 浅き心を、わが思はなくに この「安積香」には、エコ−として少なくとも古いトルコ語の三つのコトバがあると考えられるの。(「エコー」については、「記事一覧」にある第5回目の「エコ−と仮名二音とセリ(芹)…

14.「あさかやま」の歌(1)

安積香(あさか)山、影さへ見ゆる、山の井の、 浅き心を、わが思はなくに この「あさかやま」の歌は、「古今和歌集」の前書きである「仮名序(かな・じょ)」というところで、 歌の父母(ちちはは)のやうにてぞ、 手習ふ人のはじめにもしける と云って挙げ…

13.「おつくり」のこと

ヤマトタケルとお父さんの景行天皇が仲睦まじく書かれている日本書紀の方では、景行天皇は、亡くなった息子タケル(日本武尊)のことが忘れられず、タケルが平定した国を巡(めぐ)ってみたいという思いに駆られて、東海の方から船で「上総国」(かみつふさ…

12. 眠り猫、鐘、芭蕉、筑波、おつくり

地固めのためにちょっと遠回りして、後で「アレクサンドロスの後とロ−マ」のタイトルに戻って、ユ−ラシアでの地理的な経路などについて話すね。皆、密接に関係することなの。それに、各回、長いと読むのが疲れるから、少し短めにする。 「後で詳しく説明する…

11. アレクサンドロスの後のこととロ−マ(1)

話の順序を考えていたらすっかり日がたってしまった。途中で切るのが難しくて、長くなってしまう。でも、読みにくいから、このタイトルはやはり数回に分けて話すことにするね。 アレクサンドロスがペルシアのバビロンでその短い生涯を閉じた時、もろもろのこ…

10.「あながち」というコトバ

やまとことばは、造語力(=造詞力)にどうしても限界がある。一方、漢語は現代的には使いにくいところもある。 英語のコトバの95%以上はラテン語、ギリシャ語から来ている。漢字漢語も英語ももちろん大事だけれど、おじさんは日本語なりに日本語としての現…

9.「鎌足」(かまたり)という名

「藤原鎌足」(ふじわらの・かまたり)という人がいるけど、「鎌」に「足」って、変わった名だ。 万葉集に、 望月(もちづき)の、満(た)れる面(おも)わに 花の如(ごと)、笑(ゑ)みて立てれば・・ という長歌がある。「月が満ちたようにふっくらと輝…

8.「ウチ」のことと「鎌を掛ける」のこと

山部赤人(やまべの・あかひと)の有名な富士の歌、 田兒(たご)の浦ゆ、うち出(い)でて見れば、真白にそ、 不盡(ふじ)の高嶺(たかね)に、雪は降りける この歌では、「うち出でて」の「ウチ」と、「見れば」の「ミ」とが掛りになっているけど、でもそ…

7.「ウチ」=数「3」のこと

先回は「馬並(な)めて」のことを書いたけど、大伴家持(おおともの・やかもち)の次のような歌があるの。 馬並めて、いざ打ち行かな、渋渓(しぶたに)の 清き磯廻(いそみ)に、寄する波見に 「いざ打ち行かな」は「さあ行こう」。「磯廻」は弓なりに入り…

6.「かたる、カタログ」「おとぼね、テレフォン」「ほね、ボウン」「かぎ、キイ」「にい、ニュウ」「馬並(な)めて、ナンバ−」

「かたる」(語る)というコトバは英語「カタログ」と親戚なんだ。二つともギリシャ語の「カタレゴ−」(ギリシャ語では、これ一つで「私は語る」ということ)というコトバから来ていて、やまとことばの「かたる」はこの場合、動詞の「る」がつくこともあって…

5. エコ−と仮名二音とセリ(芹)

前に書いた「岡目八目」(おかめ・はちもく)では、「おか」を「オク」という音に通わせて、そしてその「オク」という音に呼ばれたように、その音に「こだま」するようにして、「オクト」(数の「八」)や「オクルス」(目)がやって来る。 それで、そういう…

4.「やまと=大和」のこと

「やまとことば」の「やまと」は、「大和」って書くし、「大和」って書いて「やまと」って読むけど、どうしてそうなんだろうってことだけど・・ おじさんは、「かわ」は「川」、「そら」は「空」と書くのと同じで、「やまと」を「大和」と書くのは何の不思議…

3.「岡目八目」

「岡目八目」(おかめ・はちもく)という言い方があるけど、「岡目」は「傍目」(おかめ)とも書いて、「はた目」のことだけど、囲碁で、はたで見ている人たちの方が対局している本人たちよりもよほど様子がよく見える、ということでしょ。今日はその「こと…

2.「ありがとう」

ポルトガル語でも「サルビ」は「やあ」とか「これはこれは」といったところ。「サルバ」は「無事」ということ。 サッカ−ファンなら「オブリガ−ド」は「ありがとう」だって知ってる。日本の「ありがとう」は、ポルトガル語(ブラジル語)のその「オブリガ−ド…

1.「サルビア」のこと

ゆかは、おじさんから「やまとことば」(大和言葉)についてその由来のことや、それに「古事記」の話の仕組みのことなど、聞いた話をメモしたりしておいた。おじさんはゆかが小さな時から同じことをいろいろな人に言ってきたけど誰も信じない。おじさんが死…