3.「岡目八目」


「岡目八目」(おかめ・はちもく)という言い方があるけど、「岡目」は「傍目」(おかめ)とも書いて、「はた目」のことだけど、囲碁で、はたで見ている人たちの方が対局している本人たちよりもよほど様子がよく見える、ということでしょ。今日はその「ことわざ」のこと。どうしてそういう云い方をするの、という・・



海の「タコ」は「タコ八」と言ったりして、もちろん足が8本。映画007シリ−ズで「オクトパス」というのがあった、そのオクトパスがタコだけれど、「オクト」が数の「8」で、「パス」は足。音楽の「オクタ−ブ」はドレミのドから次のドまで音程が8つあるから「オクタ−ブ」。だから「オクト」とか「オクタ」はラテン語、ギリシア語取り混ぜて言って数の「8」。


西欧で海の「カキ」がおいしいのはしっぽにRの字がつく月と言われるけど、September,October,November,December、つまり9月から12月までの4か月。


そのうち、10月の「オクト−バ−」に「オクト」があるけど、それはもともとはこの月は「8番目」の月だったから。12か月のうちこの4つの月だけ皆ラテン語の数の名が付けられている。


2000年前頃、ロ−マでカレンダ−の変更があって、もとの月が順番として2番づつ後になることになった。「セプテンバ−」は今は9月だけど、「セプテン」はその「セプ」が英語「セブン」の「セブ」と通い、数の「7」で、7番の月だったのが2番遅れて9月になった。同じようにしてもと8番の「オクト−バ−」が10月になった。




ラテン語で、「目」のことを「オクルス」って言う。その「オク」でもって、「オクトパス」の「オクト」の「オク」、それに「オクト−バ−」の「オクト」の「オク」を思ってみてね。


「オカ目」(傍目、岡目)の「オカ」は「オク」と通ずる。 ・・で、「オカ目八目」には、「8」の「オクト」の「オク」と、「目」の「オクルス」の「オク」とに掛ける洒落(シャレ)があるの。


こういう風に、やまとことばには、ラテン語のコトバが絡んでいる云い方がある。実はラテン語だけではなくて、他にもいろいろとあるけど、今とりあえずラテン語に集中している。


人生の為になるようなことをシャレを込めながらこのように云う云い方を「言技」(ことわざ)、つまり「コトバのわざ」って云う。「ことわざ」はふつう「諺」という風に書くけど、本当の意味はそういうこと。